kotty's blog

つぶやき、ぼやき、討論、共有【社長インタビュー紹介】

DeNA創業者南場智子さん ドン底を乗り越え変わった価値観

5月21日、渋谷にあるSTART BARという「就活BAR」に、株式会社DeNAのファウンダーであり元CEOの南場智子さんが特別登壇された。

 

南場さんと直接お会いできる貴重なチャンスを嗅ぎ付け、高い倍率の中抽選を勝ち取った限定20人のオモシロ学生が集結していたので、いつものスタートバーとはちょっと違う雰囲気がした。

 

そういえば、実は私、抽選に落ちたんです(笑)

だけど、「どうしても行きたい、話を聞きたい」とスタートバーを経営する株式会社ライトマップの鈴鹿さんにFacebookメッセンジャーで無理を言って頼み込んだ結果、
最初は満員のため断られたが、「キャンセルが出たら一番最初に連絡するね」と言ってくださった。

 

くそぉ~やっぱダメか~と思っていた所にまさかのまさかでキャンセルの連絡が。

 ラッキーーーーーーー!!!!!!!

 

やっぱり何事もダメ元でアクションを起こしてみることって大事。。。泣

 

さっそく颯爽と登場し、椅子ではなくバーカウンターに座った南場さん。

自己紹介の開口一発目、彼女はこう言い放った。

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『私は君たちより年とってるけど、君たちに絶対負けないのは1年間にどれだけ成長してるか』

 

自己紹介でこんなこと言う人会ったことありますか?!(笑)

いつまでも若手に負けない、良い意味で学生に対抗心を持って自分を高めていらっしゃる。
しかも御年54歳、大きな会社のトップが常に【自分自身の成長】を意識して一日を過ごしている。

それだけでDeNAがどんな会社なのか、中でどんな組織が動いているのか、なんとなく予測が出来た。

 

唯一成長が止まった時期

そんな南場さんの成長が唯一止まっていた時期は、2016年の年末からこの間のGW前までだそう。この話を時に涙を流しながら打ち明けてくださった。

 

知っている方も多いと思うが、彼女は2016年12月に夫の死を経験している。

夫の癌が発覚した2011年、治療サポートに専念するためDeNAの社長を退任され、会長となった。

2016年12月、夫が亡くなる前の2日間、DeNAの情報まとめサイトで、無断転用等の不適切な運営が指摘された不祥事問題のために7時間の取締役会に出なければならなかった。社長を退任してからはずっと夫の治療に取り組み、仕事より家庭を優先してきたが、その時は「会社を救わなきゃ」という責任を感じ、夫の状態が悪いと分かっていながらも仕事を取ったという。

しかし、その2日後、夫が死去した。

 

彼女はそれからずっと後悔の気持ちでいっぱいだった。自分の心を整理する暇もなく、忙しない日々が過ぎていったと言う。

『仕事をしていても全く幸せじゃなかったんだよね』

その言葉はとても重く聞こえ、胸が痛んだ。

 

それから2018年のゴールデンウィーク、思い切って全ての仕事の予定をキャンセルし、インドに瞑想しにいくことを決意した。

行きの飛行機の中で自分の気持ちと夫のことを泣きながらひたすら考えた。やっと自分の気持ちに向き合う時間が出来た時、「涙の理由は後悔なんじゃなくて、今までの夫への感謝の気持ちなんだ」と気が付いたそう。

 

 

幸せに素直になること

GWをフル活用して自分の時間をつくり、インドでの瞑想を経て日本に帰ってきた南場さんは仕事に対する考え方も大きく変わった。

 

『今までずっと責任感で意思決定してきた。だけど、「やらなきゃ」で動くより、やりたいこと、欲求、幸せに素直になっていいんじゃないかと思えるようになった』

 

幸せってなんだろう、と考えた結果、彼女が考える幸せとは、

誰かの役に立つこと、そして夢中になれること』だった。

 

マッキンゼーの元コンサルタントという経歴もあり、圧倒的合理的思考でバシバシ決断を下してきたが、これを機にまずは共感すること、その中でロジカルな意思決定をしていくようになった。

 

共感ファーストで合理的思考が次。「わかってくれる」って分かれば人って頑張れる。それが人が集う条件だよ。』

 

そう考えるようになると、DeNAは【人を幸せにする会社】という観点ではまだまだ改善点があると気が付いた。それを気付けたのも幸せなことで、また立ち上がって仕事を頑張れる要因になる、と笑顔で話す表情から、どん底を乗り越え再度前を向く南場さんの強さを読み取ることが出来た。

 

就活を控える学生へ

『幸せを優先して会社を選んでほしい』

『会社に属するとしたら、目標単位で任されて、起承転結のすべてを任せてもらえることが大事。自分で試行錯誤できる環境に身を置くこと、自分に出来ないことを目標に置こう。』

 人生の勝者は「夢中力」がある人。大企業でもスタートアップでもなんでもいいから、好きなことや夢中になれることがある会社を選んでほしい。

 

さいごに

正直、 過去のインタビューやWEB記事を読んで、恐縮ながら勝手に南場さんを冷たく怖い人だと思い込んでいた。(ごめんなさいorz)

でも、実際にお会いした南場さんはお茶目で、明るくて、太い芯が一本通ったとっても強くてかっこいい女性だった。元DeNAで人事を務めていた鈴鹿さんも驚くほど「柔らかくなった」そう。(笑)

 

DeNAを創業し、大企業へと育て上げた「強い女性」の代表格とも思えるが、南場さんも挫折や苦悩を乗り越えるからパワーアップできるんだなあ、と。

 

自分が築き上げた会社への想いも、言葉の端々から感じ取ることができ、なぜDeNAがあれほど大きく成長できたのか、なぜ就活生に人気なのか、南場さんに会えば納得ですわ。

 

社会人一歩手前の今、身が引き締まる想いでいっぱいでした。

 

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貴重な機会を与えてくださったSTARTBAR、何一つ隠さず誠意持ってお話してくださった南場さん、

本当にありがとうございました!

 

 

こってぃ